毎日新聞社殿、
昨日、貴社はMainichi Interactive (http://www.mainichi.co.jp/) および、毎日新聞オンラインニュース速報にて以下のような報道を行いました。
> <組織犯罪対策3法>参院法務委で自自公3党の 08/09 20:14
>
> 犯罪捜査に電話やファクス、電子メールなどの傍受を認める通信傍受法案を柱とした
> 組織犯罪対策3法案は9日夜の参院法務委員会で、自民、自由、公明3党の賛成多数で
> 可決された。同日夜の審議後、自民党が質疑打ち切りの動議を出したのに対し、廃案か
> 継続審議を求める民主、共産、社民3党などは採決に反対して退席したため、自民など
> 3党で採決した。自民党などは今国会で成立させる構えで、13日までの会期内成立は
> 確実な情勢だ。
> (以下、略)
> 【小林 雄志】この記事はまったく事実に基づかない重大な誤報です。
まず、この記事が発信された 8月9日20時14分時点では法務委員会はまだ動き始めたばかりで採択どころではありませんでした。現実に自自公が「採決」と称している事態が起こったのはこの記事の出た40分も後です。それも円より子法務委員が質問中に荒木清寛委員長が突然、不規則発言を動議とする発言を行い、審議が紛糾になり、盗聴法案(組織的犯罪対策法案)の採決さえ行われていない状態です(自自公は採決をしたとしているが採決に必要な手続きはまったく踏まれておりません)。
その際も民主、共産、社民3党は退席した事実も存在しません。
もし、現場に記者がいればすぐにこの記事のおかしさがわかるはずでしょう。しかし貴社はいまだにこの記事に対する訂正も謝罪もされておりません。わたくしどもの問い合わせに対してもすでに1日以上たっているにもかかわらず、現在対応を協議中と口を濁すだけです。
この記事に対して貴社は22時8分になってようやく以下の記事を出されていますが、この記事もまた現場取材をしているのか疑わざるをえないひじょうに粗末な記事です。
> <組織犯罪対策3法>参院法務委で自自公3党の 08/09 22:08
>
> 犯罪捜査に電話やファクス、電子メールなどの傍受を認める通信傍受法案を柱とした
> 組織犯罪対策3法案は9日夜、参院法務委員会(荒木清寛委員長)の審議中に自民党議
> 員が質疑打ち切り動議を出し、民主、共産、社民3党が反対したが、自民、公明、自由
> などの賛成多数で可決された。これに対して民主、共産、社民3党は「審議中の暴挙で、
> 採決は無効」と主張。民主党は採決が覆らない場合は荒木委員長の解任決議案を提出、
> 2党も同調する。しかし、自民党などは、同法案を11日にも本会議で可決、成立させ
> る構えだ。
> (以下、略)
> 【小林 雄志】まず、「自民党議員が質疑打ち切り動議を出し、」とありますがこれは議場ではまったく確認されていません。なおさら、「民主、共産、社民3党が反対したが」とありますが議場で確認されていない動議に反対しようがありません。今日明らかとなった議事録にもこのことは明白になっております。
さらに貴社は
http://www.mainichi.co.jp/news/newsflash/10minutes/news09.html
において、> ■通信傍受法:自自公の議員に制度監視の重い責務=解説 8月10日 20:50
>
> 通信傍受法など組織犯罪対策3法は10日、参院審議の過程で浮かび上がっ
> たさまざまな問題点を積み残したまま、成立した。参院法務委員会では、与野
> 党議員の怒号が飛び交う異常な状態の中で自自公が採決に踏み切るなど、議論
> が尽くされたとはいい難い。自自公は通信傍受制度に対する重い監視の責務を
> 負ったといえる。という記事を発信されましたが、これもまた事実と異なります。現段階(この記事が出た8月10日20時50分でもまたこの質問状を書き上げた23時30分でも)まだ参議院本会議は始まっていないし、もちろん盗聴法は成立していないのです。
こちらから問い合わせると、貴社は当該記事を毎日新聞は削除したと言います。しかしこの誤報を出しておいて、単に削除すれば責任を果たしたことになるとは到底いうことができません。
本来、公正であるべき報道機関がこのような誤報を繰り返し、ジャーナリズムにとって、命取りであるべき盗聴法の成立を支援する結果になっていることを強く憂うるものです。
そこで、貴社に以下の質問をいたします。11日の正午までにFAX 03-3291- 2876まで文書にて回答いただけますようお願いいたします。回答のない場合は回答のないことをWeb http://www.jca.apc.org/ にて公開いたします。
1、これまで、こちらが指摘した記事に関して毎日新聞社としてその記事をどのように認識しているのか?
2、どうしてこのような誤報記事が出されてしまったのか、その原因究明に取り組まれること、その責任がいつ明らかになるのかその予定
3、当然、貴社の Mainichi Interactive トップページ (http://www.mainichi.co.jp/) において謝罪記事が掲載されるべきであろうと考えますが、それについてどのようにお考えですか?
JCA-NET セキュリティ委員会
(担当 印鑰 智哉、いんやく ともや)
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町 3-21 三錦ビル3階
電話 03-3291-2875 FAX 03-3291-2876
Website http://www.jca.apc.org/
公開質問状に対する回答
1999年8月11日
印鑰 智哉様、
通信傍受法案の委員会審議に関わる9日配信の弊社の記事についてですが、
ご指摘の通り、「民主、共産、社民3党などは採択に反対して退席した」など
事実に反した記述がありました。情勢が刻々と動く中で予定原稿として準備し
ていた記事が、作業上のミスによって誤ってホームページに掲載されてしまっ
たものです。関係方面にご迷惑をおかけしたことを深くおわびいたします。
お詫びと訂正の記事を、本日、ホームページに掲載します。なお、アーカイ
ブの中ではこの記事を削除する措置を取りましたので、現在は掲載されており
ません。
今後ミスが再発しないよう社内体制を含め改善に努めますので、ご理解をお
願いいたします。
毎日インタラクティブ編集長 田口正穂
(原文は FAX にていただきました。打ち間違いがあれば印鑰の責任です。)
この回答ではこちらが指摘した最初の誤りのみに回答が来て、他の2つ、つまり、確認されてもいない動議に野党が反対した、という事実と異なる記述についてと、さらに本会議すら開かれなかった10日の段階ですでに盗聴法案が成立した、と書いた記事についての認識については答えがなかったため、さらなる回答を求めました。
以下がその回答です。
印鑰 智哉様 ご質問の「質疑打ち切り動議」に関わる記述は、毎日新聞10日付朝刊本誌にも 掲載されています。記事を出稿した政治部に問い合わせたところ、「参議院は手続き 上、可決されたと認定しており、それを客観的事実として伝えたものです。他紙も 同様に報じております」という回答を得ましたのでお伝えします。 また、昨日、通信傍受法の成立を前提とした記事がホームページ上で「速報」と して流れた件については、9日のミスと同様、予定原稿が誤って掲載されたもので す。これに関する「おわび」はすでにホームページに掲載されました。 当編集部は、同種のミスが連続して起きたことを深刻に受け止めております。再 発を防ぐべく全力を上げますのでご理解をお願いいたします。 毎日インタラクティブ編集長 田口正穂(原文は FAX にていただきました。打ち間違いがあれば印鑰の責任です。)
この回答に対して、印鑰の方から以下のようなさらなる回答を求める返信を送っております。
毎日インタラクティブ編集長 田口様、 ご回答ありがとうございました。確かに FAX を受け取りました。 > ご質問の「質疑打ち切り動議」に関わる記述は、毎日新聞10日付朝刊本誌にも > 掲載されています。記事を出稿した政治部に問い合わせたところ、「参議院は手続き > 上、可決されたと認定しており、それを客観的事実として伝えたものです。他紙も > 同様に報じております」という回答を得ましたのでお伝えします。 こちらの質問の趣旨を変えておられませんか? こちらは以下のように質問しております。 > まず、「自民党議員が質疑打ち切り動議を出し、」とありますがこれは議場で > はまったく確認されていません。なおさら、「民主、共産、社民3党が反対し > たが」とありますが議場で確認されていない動議に反対しようがありませ > ん。今日明らかとなった議事録にもこのことは明白になっております。 つまり、動議そのものが議場で確認されていない状態でありました。しかし、 貴社は「民主、共産、社民3党が反対した」と明記されているから、その事実 があったのかどうかをお聞きしているのです。 「採択した」ということは自民・自由・公明の「主張」として存在しているこ とは事実でしょう。その主張をもってあたかも確定であるかのように報道され ること自身、大きな問題を持っていると考えます。それならば、公平・中立の 立場にたつべきジャーナリズムは野党の側の主張も同時に載せるべきではない でしょうか? しかし、これは当初の質問の趣旨ではありませんでした(しか し、この点に対しても、つまり、一方的に与党側の主張のみを載せたことに対 してもご回答いただけますようお願いいたします。なお、それは他のジャーナ リズムも同じ報道をした、ということはまったく理由になりません。ジャーナ リズムというものはたとえ他が間違った報道をしようとも正しいと信ずる情報 を伝えようとするもののことをいうべきものであるでしょう)。 しかし、今回こちらが伺ったのは「採択」云々ではありません。貴社が野党が 動議に反対したと判断されている判断の根拠を訪ねているのです。その判断の 根拠は何ですか? 反対したからには野党3党はその動議を受け止めているは ずです。それは野党にお確かめになりましたか? この回答では残念ながら回答とは受け取れません。この点に関してご回答いた だけますようお願いいたします。 > また、昨日、通信傍受法の成立を前提とした記事がホームページ上で「速報」と > して流れた件については、9日のミスと同様、予定原稿が誤って掲載されたもので > す。これに関する「おわび」はすでにホームページに掲載されました。 お詫びを掲載したとのことですが、残念ながら当方では残念ながら確認できて おりません。いまどこに掲載されているのかその URL をご回答ください。貴 社の記事を見たものがその謝罪記事を見られなければ、謝罪の意味がありませ んので、もし、現在、掲載されていない場合はその理由をご回答ください。 また、貴社では Web ページのみならず、メールにて速報などのサービスをさ れていると思いますが、メール配信ではどのような謝罪記事を出されたのかを ご回答ください。 > 当編集部は、同種のミスが連続して起きたことを深刻に受け止めております。再 > 発を防ぐべく全力を上げますのでご理解をお願いいたします。 先ほどの FAX に書かれたいたような「技術的ミス」とは当方では考えること ができません。もし技術的なミスならば、こう連続することはありえないでし ょう。こちらも Web コンテンツを出しておりますので、その難しさは了解し ております。しかし、間違ったコンテンツを出したことを技術的な過ちとする ことは、問題の本質を隠蔽するものといわざるをえません。 わたしはこの誤報事件は必然的に起きたと感じております。つまり、貴社に事 実を厳しく検証して、市民の知る権利に配慮した形での公平な報道を行おうと する確固とした姿勢が欠如していたから起きたと感じております。 もし、そうした厳しい姿勢が貴社にあれば、こうした連続した誤報記事は世に 出なかったのではありませんか? さらに問題となるのは誤報を出した後の貴社の対応です。 こちらは10日夜8時過ぎ貴社の代表電話に電話したところ、責任ある部署に はつなげていただけず、社会部の方が対応されました。そこで社会部他、関係 ある部署に11日の正午までに返答するよう公開質問状をお送りしました。 しかし、正午を過ぎても返答をいただくことができず、こちらから再度、ご連 絡したところ、田口様が対応されました。当初、「毎日インタラクティブの責 任者の方ですね」と質問したところ、責任者である旨のご返事をいただきまし た。しかし、記事の責任を訪ねたところ、「記事の責任はこちらにはない。読 者室に電話を回してほしい」と言ったきり、電話を切られました。仕方なく、 読者室にかけたところ、読者室は記事の責任は関係ないという対応でした。 本来、9日の誤報記事であれば、10分ごとに更新する速報を売り物とする貴 社であればこそ、すぐに対応が求められるところでしょう。しかし、1日以上 たった段階であるにも関わらず、責任をたらいまわしにされたわけです。 当該記事を削除しても一度出た誤報はすでに一つの社会的な力を持ってきてし まいます。貴社の記事を受けて、それを事実と考えた人々の認識が生まれてき ます。それは一定期間、おわびメッセージを掲載することで解消できるもので はありません。そうした社会的影響について真摯な認識があれば、自らをただ すことが可能であったのではないでしょうか? 以上、踏まえて再度、こちらがお尋ねした件に関して明日午前10時までにご 回答いただけますようお願いいたします(もしその時間までに回答が難しい場 合は、その旨ご連絡いただけるようお願いいたします)。 JCA-NET 印鑰 智哉
この文書への回答は以下。
JCA-NET 印鑰 智哉 様
メール拝見しました。
毎日新聞社サイバー編集部は午前10時出社ですので、ご連絡がおそくなりま
した。
ご質問の件にお答えします。
1、お詫びについての URL は
http://www.mainichi.co.jp/eye/owabi.html
に掲載されていますので、ご確認ください。
なお、速報につきましては、流れた直後、訂正とお詫びを、速報欄で、流しましたが、この
コーナーは10分更新で、振る鋳物は順番に消えていく仕組みになっていますし、アーカイブと
して残ることもしておりません。あくまで速報に徹しています。アーカイブとして残るニュース
セクションについては、削除するとともに今回、改めておわびを掲載した次第です。
2、作業上のミスについては
刻々移り変わる情勢に対応するため、新聞社ではいくつかの状況を想定して
原稿をあらかじめ作成することがあります。ふつうは、「予定原稿」として、
外にはに(ママ)流れることはありませんが、今回、チェック体制が不十分でありこのような結果となり
ました。したがいまして、現在、早急にニュース配信の見直しとチェック体制の強化を行ってい
ます。
3、お問い合わせの記事の内容については、当サイバー編集部では、その職務権限上、対応する
ことができません。毎日新聞の記事そのものに対する、質問・抗議等については読者室が対応す
ることになっています。
なお、前回のお尋ねの際、読者室にお尋ねするようにお願いしたのはそういう理由からです。し
かし、その後、記事の内容そのものではなくて、「予定原稿」を誤って流したのは、メディア事
業局であることが判明したため、読者室ではなく、メディア事業局が対応したということです。
4、メールサービスにつきましては、予定原稿は配信しておりません。
以上、ご質問に回答いたします。
毎日インタラクティブ編集長 田口 正穂
(原文は FAX にていただきました。打ち間違いがあれば印鑰の責任です。)
田口様、
FAX いただきました。お返事ありがとうございました。
> 1、お詫びについての URL は
> http://www.mainichi.co.jp/eye/owabi.html
> に掲載されていますので、ご確認ください。確認いたしました。しかしこちらが指摘した3件の誤報のうち1件のみのお詫びですね。
> なお、速報につきましては、流れた直後、訂正とお詫びを、速報欄で、流し
> ましたが、このコーナーは10分更新で、振る鋳物は順番に消えていく仕組み
> になっていますし、アーカイブとして残ることもしておりません。あくまで速
> 報に徹しています。アーカイブとして残るニュースセクションについては、削
> 除するとともに今回、改めておわびを掲載した次第です。ということは10日の誤報に関するお詫びにはもうアクセスできないということですか?
一度流れた誤報に関して、その誤報かどうかの参照さえできなくなるのだが、そういうシステムになっているから仕方がない、という趣旨でしたら、これは問題であると思います。元のアーカイブがない記事であれ、配信したものの責任としてその誤報のお詫びはアーカイブの中に残されるべきではありませんか?
> 2、作業上のミスについては
> 刻々移り変わる情勢に対応するため、新聞社ではいくつかの状況を想定して原
> 稿をあらかじめ作成することがあります。ふつうは、「予定原稿」として、外
> にはに流れることはありませんが、今回、チェック体制が不十分であ
> りこのような結果となりました。したがいまして、現在、早急にニュース配信
> の見直しとチェック体制の強化を行っています。これに関してはぜひお願いいたします。そして、どのように改善されたのか、読者にもわかるようにしていただきたいと思います。
> 3、お問い合わせの記事の内容については、当サイバー編集部では、その職務
> 権限上、対応することができません。毎日新聞の記事そのものに対する、質問
> ・抗議等については読者室が対応することになっています。
> なお、前回のお尋ねの際、読者室にお尋ねするようにお願いしたのはそういう
> 理由からです。しかし、その後、記事の内容そのものではなくて、「予定原稿」
> を誤って流したのは、メディア事業局であることが判明したため、読者室では
> なく、メディア事業局が対応したということです。これについては不満があります。こちらは毎日新聞社の責任者から責任ある回答をいただきたい、と毎日新聞にご連絡しました。そうしたら、田口様に電話が転送されたわけです。もしサイバー編集室で負えないのであれば、それはサイバー編集室の責任で責任ある部署にご連絡いただくのが筋ではありませんでしょうか?
こういう対応が「たらい回し」であると言っているのですが……。
> 4、メールサービスにつきましては、予定原稿は配信しておりません。
了解いたしました。
JCA-NET 印鑰 智哉
1999/08/13
1999年8月10日、深夜、毎日インタラクティブの誤報に関する公開質問状を出しました。
これまでに毎日インタラクティブ、サイバー編集部から計4つの回答をいただいておりますが、残念ながら納得いく回答はいただけなかったため、8月14日、9月3日の2度にわたり、毎日新聞社宛に再度質問状を提出いたしました。9月9日になってようやく回答がありました。
9月9日の毎日新聞からの回答の中に対しての返答を以下に掲載します
毎日新聞社社長室委員(広報担当)
恩田 重男様ご返答いただきありがとうございました。
まず最初に
> 終わりに、「組織犯罪対策3法」については、毎日新聞は今後も引き続き、取材・報
> 道を続けていく所存でいることを申し添え、回答といたします。と書かれたことに対して大変、期待しております。こちらとしても今後とも、市民の側の声を少しでも伝えられるよう努力しますし、貴紙への情報提供は喜んでいたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。
ただ1点のご返答に関してはやはり納得しかねます。
> 9日午後10時8分に流した原稿の「質疑打ち切り動議を出し」云々の記述について、
> 貴殿は、民主、共産、社民3党は動議を確認してない、とされていますが、この点につ
> いて毎日新聞は「議事整理券を持った荒木清寛参院法務委員長が動議の提出、採決、可
> 決を判定した」とする参院議会事務局の見解に沿って報道いたしました。
>
> なお、こうしたいわゆる強行採決で採決のやり直しをしたという事例は、1994年
> 11月の301臨時国会の衆院税制特別委員会で、同月9日に採決したものを、強行採
> 決による騒音で「聴取不能」として2日後の11日に採決のやり直しをしたケースがあ
> ります。今回もその後の与野党間の話し合いでそうした決着になれば、当然その段階で
> 動きをフォローしたわけですが、そのような事態には進展せず、結果的に荒木委員長解
> 任決議案も参院本会議で否決されました。
>
> 今回の「組織犯罪対策3法案」審議については、毎日新聞は、動議提出、採決、可決
> という事実について公正な報道をしたと考えていることを付け加えます。こちらの質問でお聞きしているのは野党3党が反対した事実はあるのか、ということです。ここでは委員長の見解、事務局見解の見方を問題にしているのではありません。
確かに荒木前法務委員長はあの法務委員会で動議提出して採決された、としておりますし、正当性は別問題として、それは存じています。しかし、一方、民主、共産、社民3党が提出されたとされる動議を認識して、それに反対した事実が存在するのか、ということです。
現在まだ未定稿のままですが、議事の速記録ではこうなっています。
(改行等は速記録と異なるかもしれません)
----------------------------------------------
委員長(荒木清寛君)
円理事に申し上げます。質疑を続けてください。──質疑を続けてください。円より子君
理事会を開いていただくということの確約がありましたら、私、これから質
問したいと思います。(発言する者多し)委員長(荒木清寛君)
円理事に申し上げます。質疑をお続けください。(「答えは」と呼ぶ者あり)
先ほど申し上げましたように、理事会で協議をしますということは申し上げ
ましたが、それは今やるべきことではございませんから、質疑を続けてくださ
い。──質疑をお続けください。円より子君
今、理事会を開くとおっしゃいましたよね。協議をするとおっしゃいました
ね。いつそれはなさいますか。鈴木正孝君 委員長。
委員長(荒木清寛君)
後刻、後刻……(議場騒然、聴取不能)
鈴木君提出の動議に賛成の方の挙手を願います。(議場騒然、聴取不能)
〔委員長退席〕
午後八時五十五分
-----------------------------------------------------------------ここで鈴木正孝議員による「委員長」という発言は円議員の発言途中に行われ、議長によっても指名を受けておりませんので不規則発言としかいいようがなく、速記者によってもその発言内容はまったく採録されておりません。当の円議員含め、傍聴していた人の耳にもまったく何も伝わっておりません。国会中継にも何ら入っていませんでした。
このような事態で突然、委員長の「鈴木君提出の道議に」という発言が出たため議場は混乱し、賛成・反対の確認もすることなく議長は退席したというのが現実です。
しかし、貴紙の記事によりますと、野党3党はその動議に対して反対した、ということになっています。採択した、という委員長側の見解は置いておくとして、野党3党が動議を確認してもいない状態で「反対した」という記事を書くのが誤報でないとするならば、この「反対した」という事実の根拠はどこに存在するのか、何をもって「反対した」とする事実の根拠とされているのかをお聞かせください。
委員長側の見解により反対すらしていないものも「反対した」、として記事にしてしまうことは公平公正な報道といえますでしょうか?誤解のないよう申し上げますが、今回の質問状で、記事を書かれた記者の方の責任を追及しているものではありません。誤りは避けることはできないものです。問題はその誤りをどのようにただすかであり、貴社としての対応の仕方について問うているつもりです。
なお、この当日のこの強行採決の場面はインターネットを通じて放映されておりましたし、その後もPerfecTVなどを通じて流され多くの人が見ております。この肝心の場面は
http://www.jca.apc.org/privacy/data/145kokkai/sangiin/0809homeiinkai.rm
で今でも見ることができます(2分20秒ほど)。ご確認ください。以上の点につきまして、ご回答いただけますようお願い申しあげます。
印鑰 智哉
以下の質問に対して、10月13日、以下の回答が手紙が届きました。
ご回答
JCA-NET セキュリティ委員会
印鑰 智哉殿毎日新聞社長室委員(広報担当)
恩田 重男重ねてのご質問に対し、以下の通り、お答え申し上げます。
まず最初に、貴殿から「こちらとしても今後とも、市民の側の声を少しでも伝えられるように努力しますし、貴紙への情報提供は喜んでいたしますので、今後ともよろしくお願いいたします」と、当社の報道姿勢にご理解を示していただいたことに感謝いたします。
さて、先の3項目にわたる公開質問状に対しては、それぞれ回答申し上げたところですが、「ただ1点納得しかねる」として、「民主、共産、社民3党が提出されたとされる動議を認識して、それに反対した事実が存在するのか」との新たなご質問です。
ご指摘の記事部分は「…審議中に自民党議員が質疑打ち切り動議を出し、民主、共産、社民3党が反対したが、自民、公明、自由などの賛成多数で可決された。これに対して……」というくだりです。「野党3党は動議を確認していないのだから、確認していない動議に反対しようがない。誤報だ」とのご主張なわけですが、この部分の文意は、質疑打ち切り動議に対する反対というよりも、一連の強行採決の動きに対する野党側の「反対」的行動を表現したものともとれます。
ご承知の通り、当日の参院法務委員会審議では、野党3党は、質疑打ち切りによる強行採決を警戒し、荒木委員長の言動を監視していました。騒然となった委員会室で、いよいよ「強行採決」行為が始まったとの認識は野党側にも十分あったと推測されます。そうした中での野党3党の行動を伝える言い回しとして「反対した」とする表現が許されないのか、ということであります。
とはいえ、文章解釈上、貴殿ご指摘のように「野党3党は、動議を認識してその動議に反対した」と受け取られる恐れのある表現であったことは否めません。この点、担当記者は今後の反省材料にしたい」としていることを申し添えます。 結論を申し上げますと、ご指摘の表現については、「おわび・訂正」が必要な表現上の瑕疵があったとまでは言えないと考えておりますので、宜しくご賢察の程お願い申しあげます。 今後とも、毎日新聞とホームページ「毎日インタラクティブ」をご愛読いただきますよう重ねてお願いし、回答といたします。
以上
(原文は郵送にていただきました。打ち間違いがあれば印鑰の責任です。)